ワールドメイトにおける異端や少数説の紹介

最終的には古来からある伝統的で普遍的な神道の正当な考え方に立ち返ります

 ワールドメイトは、基本的に伝統的な神社神道をベースにしていますが、いわゆる異端説や、奇譚の類も排除していないのが、面白いと個人的に思っています。むしろ、そうしたものの中に、神霊界の実相や、信仰の本質が織り込まれていることもあると思うのです。

 Nさんの陳述書の批判に対して、ワールドメイト側はこう答えます。

 

==========以下、引用==========

 

(Nさんの陳述書①では)、「出雲大神の正体はアレキサンダー大王であった」とする当教団の提示した解釈を取り上げ、何の根拠も反証もないまま、一笑に付しています。

 しかしながら、例えば「竹内文献」などをはじめとする古文書には、「太古、日本天皇が世界を支配していた」などといった、突飛とも思える記載がたくさんあります。また、日本民族や皇室の祖先は、海を渡って逃れてきたユダヤの失われた10部族であるとする「日ユ同祖論」にも、根強い支持者があります。

(ワールドメイト陳述書② 14頁)

 

しかし、一見おとぎ話のように見える異論であっても、根拠もなく「間違っている」と断定したり、ましてや「詐欺である」と論難することは、許されることではありません。当然のことながら、法廷において、「こんな突飛な説を唱えるから、この宗教はおかしい」という論拠にもなり得ないことは明らかです。

 さらにいえば、当教団では、時にこうした異論や異説を紹介することもありますが、最終的には、古来からある伝統的で普遍的な神道の正統な考え方に立ち返るというスタンスをとっています。会員にも、伝統的な形式にのっとった神社参拝を勧めています。当教団の会員が、全国各地の神社で、伝統的作法にのっとって熱心にご祈願する姿はしばしば見られる光景です。

( 同上 )

 

==========引用終わり==========

 

 ワールドメイトの神示は、神様から直接降ろされるものであり、今まで世間に認知されていない教えが示されることもあります。もちろん、それを信じる・信じないは個人の自由であり、信じられないということなら、退会されれば良いだけの話だと思います。

 しかし、「詐欺」だなどと、一方的かつ事実と異なる中傷をすることは、どう見ても許されることではないでしょう。「異説だから排除する」というのは、よく考えると、ずいぶん感情的な攻撃であるように思われます。 

 繰り返しになりますが、こうした信仰については信じたい人が信じればいい話で、信仰を持たない人に押しつけようなどと考える会員は皆無と言っていいでしょう。Nさんが信じないのは自由ですが、ワールドメイトが宗教ではないとか詐欺だと決めつけるだけの論拠に、全くなりえないということだけは明白であると思います。

 

「くしろ」の概念や「言霊学」

 無論、ワールドメイトが提示する世界観は、異端や奇瑞ばかりではありません。以下の例は、伝統的神道でいう「くしろ」の概念や、教派神道の多くが重視する「言霊学」などを見ても、決して不思議ではないと感じます。

 

==========以下、引用==========

 

 ところで、出雲での神事の証として、サッカーチームのジュビロ磐田の監督が、マケドニア出身のハジェブスキー氏に決まったという話は、当教団では、深見教祖の予言(神示)が的中した証であるととらえています。マケドニア出身の有名人が日本の新聞に載ることは、当時も現在も非常に稀なことです。「たまたま偶然に」「絶妙なタイミングで」こうしたことが起きるということが、神霊的な符合であり、「証」なのです。少なくとも当教団ではそう考えており、これを非難するNさんの主張には根拠がありません。また、マケドニア人であるハジェブスキー氏自身が、この時期に来日したこと自体が奇跡だと述べていたのですから、彼がその翌年に帰国したからといって、別に不思議でも何でもありません。このことをして、「この証はでたらめである」とするNさんの主張は、まったく成り立ちません。

 また、ハジェブスキー氏が監督を解任されて帰国した姿を、「どこか深見の姿と重なるものがあります。」と、いわでもがなの侮辱を加える姿勢には、看過できないものがあります。

(ワールドメイト陳述書② 1415頁)

 

==========引用終わり==========

 

 他者の意見に賛同できないことは、誰にもあります。特に、信仰の問題では、多くの教団、宗派などがありますし、さらには国民性や文化の成り立ちとも関係しますから、賛同できないという人もいることでしょう。しかし、Nさんのように、ワールドメイトが繰り返し述べている教えや神道の考え方を全く無視して、理由も根拠も示さず、極めて感覚的に一方的に揶揄するのはどうなのだろう、と思ってしまいます。これでは、侮辱のための侮辱、攻撃のための攻撃です。

 ネット上で中傷を繰り返すNさんに、ワールドメイト側が、法的手段に訴えざるを得なかったのは、私には無理もないと思えます。